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4930 東証スタンダード(化学)

グラフィコ

企業情報

事業内容(レポートから抜粋)

健康食品、化粧品、日用雑貨、医薬品と幅広く取り扱うファブレス企業

グラフィコは、94年創業で、当初は商品デザインやクリエイティブ制作を行っていたが、04年に自社オリジナル商品の企画開発及び販売を始めてからは、現在のようなファブレス企業としてのビジネスモデルで事業を拡大してきた。取り扱う商品は自社商品が中心だが、海外商品の日本国内での独占販売権を取得して展開する商品もある。

グラフィコは健康食品、化粧品、日用雑貨、医薬品の企画及び販売を主たる事業とする単一セグメントだが、売上高は5つの商品カテゴリーに分類される。

最も売上高が大きい商品カテゴリーはハウスホールドで、高い増収率が続き、売上構成比は、22/6期76.9%、23/6期第3四半期累計期間83.4%と拡大基調にある。減収基調にあるヘルスケアの売上構成比は22/6期7.6%、23/6期第3四半期累計期間3.7%と低下している。ビューティケアは22/6期は売上高の12.2%を占めたが、23/6期第3四半期累計期間は増収を確保したもののハウスホールドの増加率が高かったことから、売上構成比は10.1%へ低下した。

ヘルスケアはダイエット関連の健康食品が中心で、食事時に飲む「なかったコトに!」や、バジルシードを用いたキャンディシリーズの「満腹30倍」の2つが主なブランドである。

ビューティケアは比較的ニッチ分野を狙った商品が多い。足の角質のケア等のフットケアシリーズの「フットメジ」、「よもぎ蒸し」をイメージした温活サポートシリーズの「優月美人(ゆうげつびじん)」、シアバターを用いた高保湿スキンケアシリーズ「スキンピース」が代表的なブランドである。なお、「優月美人」は23/6期に、多目的フェムケアブランド「withFEM(ウィズフェム)」にリニューアルされた。

ハウスホールドは日用雑貨で、酸素系漂白剤の「オキシクリーン」が大半を占めている。自社商品の開発が基本の同社にあって、「オキシクリーン」については、米国のChurch & Dwight Co., Inc.から日本国内での独占販売権を取得して販売している商品である。

医薬品は17年にみらいファーマを吸収合併して加わったカテゴリーで、第3類医薬品の商品が中心であった。しかし、23年2月に会社分割により切り離したため、医薬品カテゴリーはなくなった。23/6期第3四半期累計期間の医薬品カテゴリーの売上高は22年7月から23年2月までのものである。

その他は、植物石鹸等の上記のカテゴリーに分類されない商品が含まれている。

(2023年6月30日時点)

沿革(レポートから抜粋)

現代表取締役社長CEOの長谷川純代氏が商業デザインの仕事に携わっていた90年代初頭、商業デザインはアナログ主体の業界で、作業はすべて手で行われていた。

当時はちょうど、コンピュータがビジネスでも徐々に使われ始めた時期であり、長谷川氏は版下づくり等の作業にコンピュータを活用することを考えたものの、当時の業界では誰もやったことがないことであった。そこで長谷川氏は、海外の画像編集ソフトウェア等を取り寄せ、コンピュータを使ったグラフィックデザインを独学で習得していった。

学ぶにつれて、コンピュータグラフィックデザインの表現力に高い可能性を感じた長谷川氏は、コンピュータを商業デザインに活用していった。表現力を上げることに留まらず、コンピュータを使うことで制作速度も格段に向上し、媒体ごとにデザインを変えられるようになったことや、作品ごとの反応率を調べて提供したこと等がクライアントに高く評価され、長谷川氏のもとには案件依頼が多く来るようになった。

様々な依頼を受けるうちに、長谷川氏は、コンピュータグラフィックデザインの高いクオリティを活かして、化粧品やエステ関連等の女性を対象とした商品やサービス向けの案件を多く手掛けるようになった。

案件の増加に加え、デザインだけでなくコピーやディレクション、企画も扱うようになるなど、カバーする業務の範囲も広がっていった。これらを一人でこなすのが難しくなり、1996年、長谷川氏は現在の同社につながる有限会社スタジオグラフィコを設立した。

法人となった後も仕事の幅は広がり、市場調査やマーケティング、プロモーション、商品企画及び開発に関わる案件も増えてきた。こうした案件をこなすうちに、商品開発における大半のプロセスについて経験を積むことができた。しかし、同時に、クリエイティブ事務所の形態では、企画料といった収益しか得られず、どれだけ伸ばしても収益に限界があるということを実感するようになった。この頃より、同社は、リスクはあるもののより多額で継続的に収益が得られるメーカーに転換することを志向するようになった。

自社の商品として販売していくためには、在庫を持たねばならず、そのためには十分な運転資金が必要となる。運転資金を確保するために同社が手掛けたのは、初期費用はなしで、売れた分だけ商品を仕入れれば良い成功報酬型のテレビショッピングのプロデュース案件であった。これが日本初のインフォマーシャルとなった。

こうした案件を通じて運転資金を確保したグラフィコは、04年に初の自社オリジナル商品となる「IQメディラル」を投入した。そして翌05年に販売を開始した「満腹30倍 キャンディシリーズ」は同社初のミリオンセラー商品(累計出荷数100万個超えの商品)となった。

法人設立後も、少人数の同社には専属の営業担当がいなかった。そのような中、同社の事業に共鳴した商社出身の人物が05年にトランスフォースを立ち上げてグラフィコの営業協力をしていた。その後、グラフィコは、トランスフォースの販売業務に関する業務移管契約を締結し、営業業務を社内に取り込むこととなった。

後に、トランスフォースは13年に同社の完全子会社となり、翌14年には清算された。

グラフィコの取り扱い商品で最もヒットし、現在でも同社の売上高の過半を占めるのが、酸素系漂白剤「オキシクリーン」である。「オキシクリーン」については、2000年頃にOrange Glo International(米国)に出向いて日本市場参入のプレゼンを行い、参入開始した時から販促支援を行うなど、深い関係性があった。

その後、Orange Glo Internationalを買収したChurch & Dwight Co., Inc.社が「オキシクリーン」を扱うことになり、日本での販売代理店も変わった。しかし、「オキシクリーン」の販売についてのノウハウが蓄積されていた同社にオファーがあり、08年に、日本オリジナル商品の販売を含む日本国内での独占販売権を取得するに至った。

この後も順次商品を投入し、累計出荷数が100万個を超えるミリオンセラーは8商品にのぼっている。こうして事業を拡大してきたグラフィコは、20年9月に東京証券取引所ジャスダック市場への上場を果たした(市場区分の変更に伴い22年4月からはスタンダード市場)。

(2023年6月30日時点)

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