証券リサーチセンターが魅力ある上場企業の無料アナリストレポート(ホリスティック企業レポート)を公開

TOP > アナリストレポート > ダブル・スコープ

ホリスティック企業レポート(無料アナリストレポート)

ダブル・スコープ

6619

アナリストレポート

基本情報

特色 リチウムイオン二次電池用セパレータの専業メーカー 市場名 東証一部

事業内容(レポートより抜粋)

ダブル・スコープ及び同社グループは、リチウムイオン二次電池(以下、LiB)の主要材料注1の一つであるセパレータ(正極と負極を隔てる膜)の専業メーカーである。

生産及び研究開発は韓国の100%出資子会社W-SCOPE KOREAが担っている。市場開拓については、日本及び米国市場を同社が担い、韓国、台湾、中国等は主に韓国子会社及び孫会社W-SCOPE HONGKONGが担っている。なお、中国には14年に韓国子会社の駐在員事務所から法人改組されたW-SCOPE New Energy(Shenzhen)があり、現地ユーザー向けのセパレータの最終加工及び販売を行っている。12年、13年の販売先は中国のLiBメーカーが主体であったが、14年から世界第3位のLiBメーカーと目される韓国LGグループや米国LiBメーカーも有力な販売先となっている。

後発メーカーの同社が大手化学メーカー等に対抗してシェアを高めているのは、以下の強みがあるためである。
1)技術力:逐次一軸延伸法という独自製法を開発しており、大手メーカーと品質は同等、生産性は勝ると自負している。製造技術開発及び既存設備の改良に注力しており、07年に量産開始の第1号ラインのセパレータフィルム延伸速度は当初の分速15mから 15年は分速30mになり、生産性が大きく向上している。

2)価格競争力:韓国政府との折衝で、外資企業に対する優遇税制や工場用地賃借料減免等の恩典を獲得している。賃借した7.6万平米の工場用地では第1号~4号ラインが稼働し、第5ラインをセットアップ中である。独自技術を背景とする高い生産性と合わせ、先行する大手メーカーに対し、利益を確保しつつ価格競争ができると同社は考えている。

3)経営陣:既存工場隣接地(3.5万平米)を第2工場用に確保し、17年末までに4ラインを新設する計画で、生産能力は15年末に比べ1.7倍になる見込みである。このうち2ラインは、LG化学から取得した設備を新工場建屋に移設する計画である。韓国内での人脈や、機会を逃さず決断する経営陣が、同社の重要な知的資本と考えられる。

4)地道なマーケティング活動:同社は大手LiBメーカーの顧客毎、型番毎に異なる部材への要求に柔軟に対応し、幾度も試作品を製造して提供し続けてきた。根気強く続けた活動が実を結び、14年には品質に対する要求の厳しい日本や韓国の大手 LiBメーカーからも受注を獲得するに至っている。

一方、同社の弱みは、同社がLiB用セパレータの単品メーカーであるのに対し、競合先は世界的な化学メーカーグループであり、研究開発や生産設備に係る投資余力や人材という点で見劣りすることである。これを解消するべく、将来に向けた成長戦略としてポリオレフィン加工技術という点で共通する、医療及び工業用膜の開発に取り組んでいる。14年より、韓国政府支援のメンブレンフィルム開発プロジェクトにも参画しているのも、資金面でのハードルを克服し新領域を開拓するための方策である。

15年11月27日に東証一部に市場変更となった。

(2016年2月26日時点)

沿革(レポートより抜粋)

同社は2005年10月に、リチウムイオン二次電池用セパレータの開発・製造・販売を目的として横浜市に設立された。同時に、韓国工場建設を目的とする子会社も設立、06年4月に韓国工場に第 1 生産ラインが完成、翌年6月に量産が開始された。同年8月に韓国経済部より当該子会社に外資企業誘致策に基づく租税減免決定している。11年2月に第2生産ライン完成。同年12月東証マザーズに株式上場。

上場で得た資金を元手に建設された第3生産ラインが12年9月に竣工。生産能力は概ね5割増強された。12年後半から13年初にかけて中国や米国の電池メーカーが経営不振に陥り、同社の業績も悪化したたため、一時増産投資は凍結されたが、日韓大手電池メーカーに販路が拓けたことを受けて、14年3月に生産能力が約3割増となる第4号生産ライン計画が再開、15年8月に量産を開始した。

その後も同社の投資の手は緩まない。16年8月量産開始予定で5号ライン建設が進んでいるほか、LG化学から取得した設備が16年4月に稼働を始める予定である。17年10月量産開始をめざし、これまでより能力の大きな新ライン2本の新設計画もスタートした。

積極投資の背景にはEV需要の盛り上がりがある。環境問題に悩む中国政府が14年からEV奨励策(新エネルギー車産業発展計画)を推進、バスのEV化も進んでおり、日米欧を追い越し中国が世界最大のEV市場になったとの報道もある。民生用の着実な市場拡大と合わせ、同社製品需要には明るさが増している。

(2016年2月26日時点)

ご意見・お問い合わせ

あなたのご意見をお聞かせ下さい。

メールアドレス



協力企業・団体


  • SMBC日興証券株式会社
    大和証券株式会社
    野村證券株式会社
    みずほ証券株式会社
  • 有限責任あずさ監査法人 新日本有限責任監査法人 有限責任監査法人トーマツ
    株式会社ICMG
統計データは信頼している情報ソースからのデータを掲載しています。またデータの更新は可能な限り人手を介さないようするなど、事実の正確性やコメントの妥当性には十分に配慮していますが、データの正確性・完全性を保証するものではありませんし、後日、予告なく修正される場合があります。なお、当サイトが提供するサービスやデータは投資情報などの情報提供を目的としたものであり、掲載している如何なる企業・産業への投資等、或いは売却を推奨しているものではありません。従って投資等に関する最終決定はご自身の判断に依存するものとします。