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クレステック

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アナリストレポート

基本情報

特色 “トリセツ”業界のグローバルニッチプレーヤー 市場名 東証JQS

事業内容(レポートより抜粋)

クレステック(以下、同社)は、家電製品や自動車、パソコンなどのエンドユーザー向けの取扱説明書や業務用の修理マニュアルなどの文章執筆、イラスト作成、データ組版、翻訳、印刷等のドキュメンテーションの作成を主力事業とする「その他製品」業種に属する企業である。

顧客企業の新製品の開発に際し、取扱説明書などのドキュメントの制作にスタート段階から携わり、ドキュメントの読み手がその新製品を安全かつ容易に操作できるように専門的な技術情報を分かりやすく説明・表現している。提供形態は、従来は紙の冊子がほとんどであったが、最近では動画マニュアルとしてネット上に掲載されたり、人間の頭に装着するヘッドマウントディスプレーへ工場内の設備の作業マニュアルが配信されたりするようになるなど、提供メディアの多様化が進展している。

同社ではこうした取扱説明書などの文章の作成、イラストを含むデータ作成、翻訳をテクニカルドキュメンテーション(以下、TD)と呼んでいるが、その対象製品・業界は、パソコン、プリンターなどの情報機器、デジタルカメラ、携帯電話などのデジタル製品、洗濯機、冷蔵庫などの家電製品、自動車、オートバイ、建機などの輸送機器、医薬品などの医療・医薬ヘルスケア、産業用ロボットなどの産業機器、玩具、日用品などの生活用品と多岐にわたっている。

翻訳サービスに関しては日系翻訳会社の中でもトップクラスの実績を誇り、世界90言語以上への翻訳に対応するほか、翻訳支援ソフトも自社開発している。言語サービスプロバイダーランキング2016(米市場調査会社のCommon Sense Advisory発表)によれば、同社の翻訳売上高は日本で2位(前年2位)、アジアで4位(同7位)、世界で26位(同35位)のポジションにある。

事業開始当初の同社の事業範囲はTD分野にとどまっていたが、次第に顧客の海外展開を幅広くサポートすることを志向し、顧客の新製品開発のための市場動向調査や各国の法令確認など、TDの川上分野から、製品の梱包材の設計、製造、印刷などの川下分野にまで事業領域を広げていった。事業領域の拡大に伴い、当初は欧米先進国におけるオフィスでの展開が中心であった海外事業も、中国、東南アジアなどの新興国における商社ビジネスや自社工場での事業展開へ重心が移行してきた。

同社ではこうしたTD分野の川上、川下に当たる周辺業務をドキュメントソリューション(以下、DS)と呼び、日系企業を中心とした顧客の海外展開を一貫サポートするグローバルネットワークの構築に注力している。

16年12月末時点での国内外のグループ会社の展開状況をみると、国内では連結子会社がパセイジの1社、11拠点に対して、海外は10カ国に13法人、18拠点を配して、顧客の海外での新製品の開発、製造、販売を総合的に支援している。

16/6期の地域別の売上構成比(外部顧客売上高)は、日本30.4%、中国23.8%、東南アジア36.9%、欧米8.9%と、日系企業の海外生産の主力拠点となっているアジアが過半を占めている。

顧客の業種別売上構成については、電器(デジタル製品・情報機器・家電)68.2%、輸送機器13.9%、医療・医薬ヘルスケア5.7%、その他12.2%で、現状ではエレクトロニクス業界への依存度が高くなっている。同社は医療・医薬ヘルスケアやその他などの非エレクトロニクス向けの拡大に注力している。

TDとDSの売上構成比は開示されていないが、TDは概ね国内で、DSは概ね海外で行われていることから、直近の売上構成は、ほぼTD:DS=3:7となっている模様である。更にDSを印刷、梱包材などの製造事業とその他のサポートサービスに分けて全体の売上構成を示すと、およそTD:印刷・梱包材:サービス=3:6:1となっていることがヒアリングで確認された。印刷・梱包材に関しては、現状では商社ビジネスが自社工場での製造ビジネスを上回っているようである。

また、TDを使用する目的で分けると、約7割が一般のエンドユーザー向けの取扱説明書、約3割が法人や事業者向けの修理・整備マニュアルなどになる模様である。

(2017年4月21日時点)

沿革(レポートより抜粋)

同社は、1984年9月に静岡県浜松市おいて、上野正視氏によってオートバイなど輸送機器関連の取扱説明書の制作や翻訳を目的に設立された。同年12月には米国に、88年にはベルギーにオフィスを開設するなど、設立当初より積極的に海外に進出している。

米国オフィスにおいては、設立時より中古市場のエンドユーザーのための取扱説明書を印刷するビジネスも行っていたが、印刷事業は小規模なものにとどまっていた。90年代に入って日系企業のアジアへの生産移管が本格化すると、同社も91年に香港にオフィスを開設し、中国や東南アジアに進出した顧客のため、現地の工場に取扱説明書の印刷を外注して顧客に納品するDS事業の本格展開を始めた。

その後、97年のインドネシアのジャカルタでの印刷工程の受託を契機に、蘇州(中国)、スラバヤ(インドネシア)、東莞(中国)と、取扱説明書や製品を梱包する箱などを印刷する自社工場を次々と展開していった。結果として、同社は顧客に対して、取扱説明書の制作や翻訳の提供にとどまらず、製品の梱包材の製造・印刷業務までを手掛けるユニークなサプライヤーへと変貌を遂げた。

11年には髙林彰氏が社長に就任し、その後はロシアのモスクワや米国アトランタにも拠点を広げた。また、12年には日本において、放送局用映像機器の取扱説明書などプロ向けTDに強みを持つパセイジ社を買収し、顧客基盤を強化した。

上場を目指していた同社は連結決算の開始に備え、11年に海外子会社の決算期に合わせる形で単体の決算期も8月から6月に変更した。14/6期には事業所単位で管理していた国内制作部門の組織体制を再編し、東京に人材を集中化して制作の一元管理を実現する一方、スタッフの採用抑制による人員規模の適正化を進めることで稼働率の改善を図った。15年7月には東証ジャスダックへの上場を果たした。

(2016年9月30日時点)

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